高所作業車(作業床10メートル未満)の特別教育
正式名: 高所作業車の運転(作業床の高さ10メートル未満)の業務に係る特別教育
作業床をいちばん高く上げたときの床面の高さが2メートル以上10メートル未満の高所作業車を運転する人に必要な特別教育です。道路の上を走らせる運転は含みません。
受講時間の早見表
いちばん上が通常コースで、下にいくほど免除で短くなります。外部の講習会の「◯時間コース」も、この区分に沿って組まれています。時間は法令が定める下限です。
| 対象 | 合計 | 学科 | 実技 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
通常対象の業務に就く労働者は全員です条文の言い方対象業務に就くすべての労働者。学科は作業装置の構造・取扱い3時間、原動機1時間、運転に必要な一般的事項1時間、関係法令1時間。実技は作業のための装置の操作3時間 |
9時間 | 6時間 | 3時間 | 規程第13条第2項・第3項 |
免除される科目の内訳(条文の言い方)1件
免許・講習の修了・経験などで、どの科目が免除されるかの内訳です。上の早見表の短いコースのうち、ここに載っている区分の分です。
| 該当する人 | 免除される科目 | 根拠 |
|---|---|---|
| 当該科目について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者(認定するのは事業者) | 当該科目の全部又は一部。時間数を定めた短縮コースは告示・通達に存在しない | 安衛則第37条 |
調査メモ
高所作業車(作業床10メートル未満)の特別教育を調べてわかったこと
作業床の高さ10m未満の高所作業車の運転の業務に就かせるには、事業者が特別教育(学科6時間以上・実技3時間以上)を行わなければなりません。10m以上は技能講習の修了者などでないと就けず、この特別教育の修了は技能講習の受講免除にもなりません。
10mの境目は、その車の作業床を最も高く上げたときの高さ
作業床の高さは、実際に上げる高さではなく、作業床を最も高く上昇させた場合の床面の高さです(施行令第10条第7号)。これが10m以上の車の運転(道路上の走行を除く)は就業制限業務(令第20条第15号)で、就けるのは高所作業車運転技能講習の修了者などです(安衛則第41条・別表第三)。技能講習は学科11時間・実技6時間です。
受講免除の表(技能講習規程第3条)に挙がるのは、移動式クレーン運転士免許か小型移動式クレーン運転技能講習の修了(学科のうち5時間を免除)と、建設機械施工管理技術検定の合格、大型・中型・準中型・普通・大型特殊の自動車免許(第二種を含む)、フォークリフト・ショベルローダー等・車両系建設機械・不整地運搬車の運転技能講習の修了(同3時間を免除)で、特別教育の修了は入っていません。
特別教育は9時間以上で、規程第13条に科目免除の定めは無い
規程第13条の学科は、作業装置の構造・取扱い3時間、原動機1時間、運転に必要な一般的事項1時間、関係法令1時間の計6時間以上です。実技は作業のための装置の操作3時間以上です。規程第13条に科目免除の定めは無く、省略できるのは、その科目について十分な知識・技能を有していると認められる労働者の、その科目だけです(安衛則第37条)。
事業者は受講者・科目等の記録を3年間保存します(第38条)。道路上を走らせる運転は、この教育の業務から除かれています(安衛則第36条第10号の5)。道路上での自動車の運転には、道路交通法第64条により公安委員会の運転免許が要ります。
作業床が垂直にだけ昇降する型以外は、墜落制止用器具等の使用が義務
安衛則第194条の22は、作業床が接地面に対し垂直にのみ昇降する構造のものを除き、高所作業車を用いて作業を行うときは、作業床上の労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させなければならないと定めています。
厚生労働省の質疑応答集(令和5年12月)は、バスケット内の作業は通常、作業床があると認められるため、フルハーネス型を用いる作業の特別教育は義務付けられないとしています。ただし同集は、垂直にだけ昇降する型を除き、バスケット内でも高さ6.75mを超える箇所ではフルハーネス型等の使用が義務としています。
作業の前に作業計画と指揮者を定め、自主検査の記録は3年保存
教育とは別に、高所作業車を用いて作業を行う事業者には次の義務があります。あらかじめ場所の状況や車の種類・能力等に合った作業計画を定めてそれにより作業を行い、計画で示す作業の方法を関係労働者に周知します(第194条の9)。作業の指揮者を定め、計画に基づき指揮させます(第194条の10)。
その日の作業を始める前に制動装置・操作装置・作業装置の機能を点検します(第194条の27)。定期自主検査は1年以内ごと(特定自主検査)と1月以内ごとに行い、記録を3年間保存します(第194条の23〜26)。それぞれの期間を超えて使わない車は、その間の検査に代えて使用を再び始める際に検査します。
このメモで読んだ公式資料(7件)
- 厚生労働省 法令等データベース「安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
- 厚生労働省 法令等データベース「高所作業車運転技能講習規程(平成2年労働省告示第67号)」
- 厚生労働省 法令等データベース「墜落制止用器具に係る質疑応答集の改訂について」(令和5年12月20日 基安安発1220第2号)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- e-Gov法令検索「道路交通法」
当サイトが2026年10月11日に読んだ内容です。手続の前に、必ず出典元の最新の案内を確認してください。
この講習のきまり
| 区分 | 特別教育 |
|---|---|
| 対象業務 | 作業床の高さ(作業床を最も高く上昇させた場合におけるその床面の高さ)が10メートル未満の高所作業車の運転。高所作業車とは作業床の高さが2メートル以上のもの(令第10条第7号)。道路上を走行させる運転は除く。 |
| 根拠 | 労働安全衛生法第59条第3項/労働安全衛生規則第36条第10号の5/労働安全衛生法施行令第10条第7号/同規則第39条 |
| 科目・時間の根拠 | 安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)第13条 |
| 修了証 | 特別教育は事業者が行う教育で、法令上の修了証交付制度は無い。事業者は受講者・科目等の記録を作成し3年間保存する義務がある(安衛則第38条)。有効期限や更新の定めも無い。機関が出す修了証は各機関が任意に交付するもので、再交付も各機関の規程による。 |
| 無資格で就かせた場合 | 安衛法第59条第3項に違反して特別教育を行わずに就かせた場合、第119条第1号により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。法人にも第122条の両罰規定により罰金刑が科される。 |
そのほかの注意
- 満18歳未満の人を、高さ5m以上で墜落のおそれのある業務に就かせることはできません(労基法第62条、年少者労働基準規則第8条第24号)。
- 規程第13条は、平成2年労働省告示第54号で全部改正されています。
特別教育は事業者が行う教育です(労働安全衛生法第59条第3項)。外部機関に委託することもできますが、その機関は労働局の登録を受ける必要がありません。自社で実施する場合も、受講者・科目等の記録を3年間保存します(労働安全衛生規則第38条)。
他の特別教育
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低圧電気取扱業務の特別教育
直流750V以下・交流600V以下の低圧で、電気が通ったままの電路を敷設・修理する作業(電気自動車等の整備は別の特別教育)や、配電盤室・変電室など区画内で充電部分がむき出しの低圧開閉器を操作する作業に必要な特別教育です。対地電圧50V以下や、電信用・電話用など感電の危害のおそれのないものは除きます。
受講時間 8〜14時間
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フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育
高さ2メートル以上で作業床を設けることが難しい場所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を使って作業をする人に必要な特別教育です。ロープ高所作業は、この教育ではなく別の特別教育の対象です。
受講時間 1.5〜6時間
- 出典
- 安全衛生特別教育規程(厚生労働省 法令等データベース)
- 確認日
- 2026-08-21
- 受講料について
- 受講料は載せていません。特別教育は事業者が行う教育で、自社で行うことも外部の講習会に頼むこともできます。外部の講習会の受講料は各主催者が決めていて、官公庁の一次情報がありません。
- ご利用にあたって
- 法令は改正されます。受講の際は必ず出典元の最新情報と、実施機関の案内をご確認ください(免責事項)。個別のご相談には応じられません。