古物商だけ審査日数の公表が少ないのは、知事部局の一覧に載らないから

掲載中の5制度のうち、標準処理期間を公表していない県が最も多いのは古物商許可だった。申請先が警察署で、県が公表する審査基準・標準処理期間の一覧に古物の行が入っていない。当サイトの調査記録には、一覧に古物の行が無かった県の例が残っている。

古物商許可で日数が載っていたのは34県。5制度のうち最も少ない

当サイトは5種類の許認可について、47都道府県ぶんの標準処理期間を公表資料から転記しています。古物商許可は、日数が書かれていたのが34県、公表していないと確認できたのが11県、まだ確認できていないのが2県(岡山県・愛媛県)でした。

公表なしの11件は、次に多い飲食店営業許可の8件を上回ります。日数が載っている県の数も、5制度のうち古物商許可がいちばん少ないです。47県を同じ手順で調べているので、この差は調べ方から出たものではありません。他の4制度と古物商許可で違っているのは、申請を受け付ける役所の種類です。

申請窓口が警察署なのは、5制度のうち古物商許可だけ

申請窓口を型で数えると、古物商許可は型が分かった46件のすべてが警察署でした。警察署が出てくるのは5制度のうち古物商許可だけです。他の4制度の窓口は、本庁・出先機関・保健所のように、県の機関に分かれています。

許認可 申請窓口の型 日数の公表あり 公表なし
古物商許可 警察署 46 34 / 47 11
飲食店営業許可 保健所 47 39 / 47 8
産業廃棄物収集運搬業許可 併用 21・出先機関 10・本庁 8・保健所 8 38 / 47 8
宅地建物取引業免許 本庁 25・出先機関 16・併用 6 39 / 47 8
建設業許可 出先機関 29・本庁 14・併用 4 41 / 47 6

窓口が警察署だということは、申請書を受け取るのが県の知事部局ではないということです。この違いが、日数の公表のされ方に出てきます。

3件は、県の一覧に古物商許可が入っていないことが、当サイトの記録に残っている

都道府県は、制度ごとの案内ページとは別に、審査基準と標準処理期間をまとめた一覧を公表していることがあります。他の4制度は、案内ページに日数が無くてもこの一覧を開けば載っていることがあります。古物商許可はそこに載りません。当サイトが公表なしと判断したときの記録のうち3件に、その理由が書いてあります。記録を読みやすく書き直したものを出します(元の記録は各県のページの「このページのデータの調べ方」にあります)。

岩手県 岩手県警察は、「古物営業関係事務取扱要綱」にも、県警察の古物商許可のページにも、審査にかかる日数(標準処理期間)を載せていません。要綱にあるのは「標準処理期間到達日」を書き込む欄のある様式だけで、日数は書かれていません。県警察の別の例規(PDF)も、審査基準などを「公表用ファイル」にとじて備え付けると定めているだけでした。 古物営業関係事務取扱要綱(PDF) 岩手県警察の訓令・通達等の公表(生活安全部) 岩手県警察の資料(PDF) 古物・質屋営業・特定金属くず買受業関係(岩手県警察)
栃木県 栃木県警察の「各種許可・証明の交付標準処理期間一覧」は交通部交通規制課の分だけで(道路使用は7日など)、古物商許可の審査にかかる日数(標準処理期間)は載っていません。当サイトが県警察のサイトの89ページを確認した範囲でも、古物の日数を載せたページやPDFは見つかりませんでした。 各種許可・証明の交付標準処理期間一覧
鳥取県 鳥取県の「行政手続」のページでオンライン検索できるのは知事部局の分だけで、警察本部の分については「許可申請書の提出先に書面で備えつけています」と書かれています。許可申請の案内ページにも、審査にかかる日数(標準処理期間)は載っていません。 行政手続(鳥取県) 鳥取県のページ(許可申請)

日数を公表している県でも同じです。山形県では、県が公表している委員会の分の一覧に入っているのは選挙管理委員会・監査委員・人事委員会だけで、公安委員会の分はありません(山形県の古物商許可のページの記録)。栃木県では、公表されている標準処理期間の一覧が特定の課の所管分に限られていて、古物商許可は入っていません。案内ページに無いから一覧を見る、という他制度で通る手順が、ここでは空振りします。

この3件のうち2件は、日数が定まっていないのではなく、公表の場所がウェブではないと書いています。申請書の提出先に書面で備え付けてある、という書き方です。ウェブで探し続けても出てこないのは、そこに置かれていないからです。

公表なしの11県のうち5県は、他の4制度では日数を公表している

県の姿勢の問題ではないことは、同じ県の他の制度を見れば分かります。古物商許可の日数を公表していない11県のうち、5県(岩手県・山形県・栃木県・滋賀県・鳥取県)は、当サイトが掲載している他の4制度すべてで日数が載っていました。この5県で欠けているのは古物商許可だけです。

ただし11県の全部がそうではありません。広島県・鹿児島県の2県は、他の4制度のうち日数が載っていたのが1制度だけでした。この2県については、古物商許可だからとは言えません。

公表なしと判断するまでに何を見たかも記録に残してあります。4件は県警のサイトを頁単位で見た記録で、鹿児島県285頁・宮崎県249頁・栃木県89頁・広島県78頁です。ここまで見て出てこなかったものを、公表なしとして数えています。

これが申請者にとって何を意味するか

日数を窓口に聞く以外に方法が無い県が11県ある
この11県では、県警の案内ページ・申請の手引き・審査基準の一覧まで見ても日数が出てきません。知事部局の一覧を開いても、そこは古物商許可の所管ではありません。営業所を管轄する警察署に見込みを聞き、聞いた日付と担当部署を自分の記録に残すのが、いまのところ唯一の方法です。公表値ではないので、依頼者にもそう伝えてください。
同じ県の他の許認可の日数を、古物商許可に持ち込まない
5県は他の4制度すべてで日数を公表していますが、古物商許可だけ公表がありません。逆に古物商許可で日数が載っている県は34県あります。その県のウェブが親切かどうかではなく、その制度をどこが所管しているかで変わります。県単位で「ここは出さない県」と覚えると外れます。
窓口の案内ページが見つからなかった県が1県ある
古物商許可は、窓口の型が分かったのが46件で、和歌山県は申請窓口を案内する県(県警)のページが見つかりませんでした。他の4制度は47件すべてで窓口が分かっています。ただし申請先そのものは法令で決まっていて、許可申請書は主たる営業所の所在地を受け持つ警察署(所轄警察署長)を経由して公安委員会に出します(古物営業法施行規則(平成7年国家公安委員会規則第10号・e-Gov法令検索)第1条の3第2項)。和歌山県でもこの決まりは同じで、当サイトが確かめられていないのは、県(県警)が出している窓口の案内(担当の課や受付時間など)です。
「公表なし」は「定めていない」ではない
当サイトが確かめたのは、その県の公表資料の中に日数が見つからないことだけです。公安委員会が期間を定めていないという意味ではなく、そこまでは確かめていないので書きません。いま載っているデータは2026-08-20から2026-10-10までに確認したものです。

自分の県で日数が公表されているかどうかは、制度ごとの一覧ページで1行ずつ確認できます。

この記事の数字について
  • 各都道府県の公表資料から当サイトが写したデータを数えたものです。
  • 対象は古物商許可の都道府県のデータ47件(全都道府県)です。他の制度と比べるところは、5制度それぞれ47件を母数にしています。政令指定都市は含みません。
  • 「公表なし」11件はその自治体が公表していないと確かめたもの、「要確認」2件は当サイトがまだ確かめられていないもので、分けて数えています。
  • 引用した記録は、当サイトが公表なしと判断したときの調べ方の記録です(県の文書の原文ではありません)。
ご利用にあたって
公表の場所も内容も変わります。申請の際は必ず出典元の最新情報をご確認ください(免責事項)。個別のご相談には応じられません。